鋳造用ワックスパターン・砂型向け産業用3Dプリンターメーカー

作業台に並ぶ同一デザインの赤いワックス製リング枠と異なるジュエリー模型

マシン・技術比較

ワックス射出か直接3Dプリントか

投稿者 Cprint3D Editorial Team

あるジュエリーデザインには合格済みの型があり、変更なしのリピート注文を受けられる状態です。一方、別の注文には複数のデザインとサイズが含まれ、設計変更も続いています。ワックス模型の総数が同じでも、適した生産の組み方は異なります。

ワックス射出では原型、複製型、その後の反復製作に費用がかかります。直接ワックスプリントでは、デジタルデータ、造形準備、後処理を中心に生産を組みます。まず設計と型の状態を確認し、同じ数量の合格ワックス模型を引き渡すまでの費用と待ち時間を比べます。数量だけでなく、品種、変更、リピート需要の確かさも判断を左右します。

1 両方式の引き渡し状態を確認する

ワックス射出では通常、原型を用意して複製型を作り、ワックスを射出し、冷却して取り出します。Ransom & Randolphのジュエリー鋳造工程では、この関係と、続くツリー組み、埋没、金属の鋳造を説明しています。射出型は複製するための道具であり、ワックスパターンは後の鋳造で消費される模型です。

直接ワックスプリントは承認済みのデジタルモデルから始まり、データ確認、配置、造形準備、プリント、サポート除去、検査、引き渡しへ進みます。パターン製作時の複製型への依存を減らし、最終的な金属部品は引き続き鋳造で得ます。3D Systemsの精密鋳造用パターン資料では、ワックスと鋳造用プラスチックパターンを区別しています。本稿の比較対象はワックスプリントです。レジン方式は材料と処理条件に応じて別途評価します。

比較の終点は、寸法、表面、細い接続部が合意した要件を満たし、必要な処理が終わり、品種とサイズごとに数えた合格ワックス模型とします。一方の見積もりに修正、検査、梱包が含まれ、他方は製作直後の模型だけなら、先に作業範囲をそろえます。

ツリー組み、埋没またはシェル製作、鋳込みの費用は分けて計算できます。ただし、ワックス材料や製作方法の変更による試鋳は明記します。模型製作費が安い方式でも、その後の鋳物要件を満たす必要があります。

2 総数を品種とサイズと版数に分ける

型への投資を反復生産に使えるか判断するには、同じ確定済みデザインに属する数量を把握します。注文を次の四つに分け、両方式の見積もりを取ります。

注文の状況 先に確認する条件 比較のポイント
確定した同一品の繰り返し 対応する合格済みの型があるか 射出、修正、検査の反復費用と、プリント品一式の引き渡し費用
多品種を各少量 型を共用できるか、品種別にどれだけ準備が必要か 複数の原型と型の費用、混載プリント後の処理と仕分け
設計変更が多い 未確定部分と設計を固定する時期 原型、型、データの変更費用と再承認の待ち時間
同一品で複数サイズ サイズ変更が石座や外観にも影響するか 各サイズの型計画、データの版、検査要件

例えばリングサイズを変える場合、石座やバスケットが元の設計を維持するか確認します。データを拡大縮小すれば全サイズに対応できるとは限りません。異なる版のデータをプリントする場合も、それぞれに品番、サイズ、承認状態を明示します。

確定数量と予想リピート数量も分けます。設計が安定していても継続購入が決まっているとは限りません。現在の注文を比較した後、リピートが少ない場合と多い場合を検討すれば、どの需要条件で型への投資が妥当になるか分かります。

3 射出費用は型を作った後も発生する

最初の型製作には、原型、複製型、試作、調整、承認の費用が含まれることがあります。型が使える状態になっても、各ロットには射出、取り出し、ワックス修正、検査、不良処理、ロット管理が必要です。長期使用では型の保守も考えます。

開いた柔軟なリング用複製型と対応する赤いワックスリング
複製型はワックスパターンを繰り返し作るための道具です。型製作後の射出、修正、検査も費用比較に含めます。

形状と材料によって作業量は変わります。取り出し時に細い接続部が傷まないか、複雑な部分をどう修正するかは、試作や生産記録で判断します。FreemanのFerris射出用ワックス資料は、柔軟性、細部再現、離型性による配合の違いを示しており、射出でも材料と形状の適合が必要です。

合格済みの型を使うリピート注文では、今回これから発生する支出に注目します。既に支払い、取り戻せない型代を今回の新規支出として再計上しません。ただし、点検、修理、必要な型変更、今回の製造費は含めます。型が損傷していたり旧版用だったりする場合は、実際の修理や再製作案で見積もります。

長期的に型費を償却するなら、使用期間と予定数量を別に記録できます。一件の追加支出と長期の総原価では集計範囲が異なるため、両方式で基準をそろえ、同じ型費を二重に含めないようにします。

4 プリント費用と納期は処理完了まで数える

直接プリントの費用には、データ確認、造形準備、モデル材とサポート材、機械時間、取り出し、サポート除去、検査、異常時の再造形が含まれます。外注見積もりに含まれる項目は重ねて加えません。内製では、人件費、消耗材費、設備費の配賦方法を明らかにします。

造形プラットフォーム上の高さが異なる赤いワックスパターンと白いサポート
造形後もサポート除去、検査、仕分けが必要で、これらの作業も引き渡し費用と納期に影響します。

多品種を混載する場合、配置、高さ、処理の難しさを評価します。プラットフォームに多く置けても、品種識別、清掃、検査は必要です。造形全体の費用は実際の仕事と処理量に応じて配分し、モデル用ワックスの重量だけで判断しません。

既存設備に一件を割り当てる判断と、その事業のために設備を買う判断では原価の範囲が異なります。短期の計画では追加作業と空き能力を見ます。長期投資では、実際の稼働率に基づき設備、人員、周辺設備も計算します。

納期は、資料がそろった時点または合意した受注時点から、待機、準備、製作、処理、承認、輸送まで数えます。初回には型試験やサンプル承認が加わり、安定したリピートではそれに対応する記録を使います。両社に、合格模型の引き渡し日と、変更や作り直しによる日程への影響を確認します。

5 同じ引き渡し数量で費用表を埋める

両方式が引き渡すべき合格数量を決め、次の概念式で費用を整理します。

今回の方式別総費用=今回の新規固定投入+合格引き渡し数量×合格ワックス模型一個当たりの費用+まだ含めていない変更・調整費用。

合格品単価には、対応する反復製造と処理の費用を含めます。代表的な生産記録の費用合計を、実際に引き渡した合格数量で割って求められます。不良、作り直し、それに伴う人件費が既に分子に入っている場合、損失を再加算しません。

記入する項目 ワックス射出 直接ワックスプリント
承認版と引き渡し数量 品種、サイズ、対応する型の状態 同じ品種とサイズ、承認済みデータ
今回の新規固定投入 原型、型製作、型試験、必要な修理 専用の造形準備と必要な検証
反復製造と処理の費用 射出、離型、修正、検査、関連する損失 モデル材、サポート材、機械時間、サポート除去、検査、関連損失
合格品単価の根拠 該当ロットの費用と合格数量 該当ロットの費用と合格数量
変更と承認 型や原型の変更、再検証、待ち時間 データとジョブの変更、再検証、待ち時間
引き渡し時点と後工程の検証 合格模型の納期と、別記する試鋳範囲 同じ引き渡し状態と試鋳範囲

見積もりに梱包、輸送、税が含まれるか、数量変更時の価格設定も確認します。一方が税込み納入価格、他方が内製原価なら、範囲をそろえてから総額を比較します。

二つの費用線が交わる数量を推定するのは、設計、受入要件、単価が十分安定している場合です。ロット数、配置、合格率によって単価が変わるなら、ロットごとに計算するか、数量別の有効な見積もりを直接比較します。

データが足りなければ、代表的な試作ロットを作り、準備、製造、処理、合格数量を記録します。初回調整と安定した反復生産は分けます。最初の学習時間を長期単価に置き換えたり、最速の一回だけで全注文を予測したりすることを避けられます。

6 定番品と変更品で製作方法を分担する

注文状態ごとに方式を評価できます。設計が安定し、合格済みの型がある品種は、まず型を再利用する実際の条件で計算します。変更中の品種や特別なカスタマイズ品は直接プリントを評価します。設計が確定し、リピートの見通しが明確になれば、複製型を作る価値を改めて比較できます。

方式を切り替える際は、寸法補正、表面、細い接続部、ワックス材料、その後の鋳造結果を再確認します。同じCADデータは共通の形状根拠にすぎず、新方式の模型検査や必要な試鋳を代替しません。

原型をプリントしてから型を作り、ワックス射出する場合は、原型材料が予定する型製作温度、圧力、離型方法に適合するか確認します。直接鋳造用のプリントワックスを、あらゆる型製作条件に耐える原型とみなすことはできません。

方式の評価には、承認済みCAD版、品種別・サイズ別数量、リピート予想、既存型の状態、ワックス模型と鋳物の受入要件を用意します。両社に同じ資料で費用範囲と引き渡し日を示してもらい、現行方式の継続、品種別の分担、試作検証後の切り替えを選びます。

よくある質問

少量なら必ず直接プリントが適していますか

既存の型の状態を考慮します。合格済みの型があれば、少量のリピートでも射出が適する場合があります。複数の新品種ごとに型が必要なら、型への投資と直接プリントの全引き渡し費用を重点的に比べます。

既存の型でもサンプルを取り直す必要がありますか

型の状態、対応する版、今回の要件を確認します。設計、材料、型の状態に変更があれば、その変更に対応したサンプルを確認します。既存の検証を使えるかは、今回の注文条件をカバーしているかで判断します。

設計変更費用はどう計算しますか

データ、原型、型それぞれの変更範囲と、変更後の試作・再検証費を確認します。固定準備費や単価に既に含まれる項目は重複して加算しません。

プリント品で試鋳に成功した後も射出への切り替えに検証は必要ですか

方式の変更内容に応じて検証範囲を決めます。パターン製作方法、ワックス、寸法補正が変わる場合、新しい模型と必要な試鋳結果を確認してから反復生産を承認します。

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