鋳造用ワックスパターン・砂型向け産業用3Dプリンターメーカー

左側の砂型と中実中子、右側の赤いワックスツリーとセラミックシェルの断面。

砂型3Dプリントガイド

砂型鋳造と精密鋳造(ロストワックス)の違いは?

投稿者 Cprint3D Editorial Team

主な違いを一覧で比較

砂型鋳造と精密鋳造(インベストメント鋳造)の基本的な違いは、溶融金属を受け入れる空洞の作り方です。従来の砂型鋳造は模型の周囲に砂型を作り、その模型を抜き取ります。精密鋳造はワックスなどの消失性模型を耐火材料で包み、模型を除去して空洞を残します。

この違いは、模型の抜き取り、外形の細部、内部空間、部品サイズ、その後の機械加工に影響します。どちらも金属部品を作る工法ですが、得意な点や管理すべき工程は異なります。

比較項目 砂型鋳造 精密鋳造
鋳型の形成 砂と結合材で鋳型を作り、必要に応じて中子を設置 消失性模型をシェルまたは埋没材で包み、模型を除去
模型の再使用 従来の模型は通常再使用できる ワックスなどの消失性模型は通常、部品ごとに製作
よく扱う部品 サイズ範囲が広く、ハウジング、ベース、中子を使う部品など 細かな形状や高い表面要件を持つ部品など
内部空洞 主に砂中子で形成 適切な中子や専用の形状対応が必要
表面と寸法 砂、造型、型合わせ、清掃の影響を受ける 細部の再現に向く一方、模型、シェル、合金の影響も受ける
3Dプリントの対象 砂型と中子 ワックスなど適切な消失性模型

ここで示すのは一般的な傾向です。実際の対応範囲は、部品寸法、合金、造型方法、鋳造工場の設備と経験によって変わります。

鋳型の空洞はどのように作るのか

まず、模型、砂型、砂中子、ワックス模型を区別します。模型は鋳型の輪郭を作り、砂型は溶融金属を受け入れて鋳物の外形を決めます。中子は穴や流路となる位置を占め、金属が凝固した後に除去されます。ワックス模型は精密鋳造品の形状を再現しますが、注湯前に除去されるため、そのまま金属部品になるわけではありません。

米国鋳造協会(AFS)による鋳物砂の解説でも、外形を作る鋳型と内部空間を作る中子が区別されています。結合材を含む砂のシステムは、造型、運搬、注湯中の形状を維持します。

従来の砂型鋳造は、模型・中子型の準備 → 造型・中子製作と模型の抜き取り → 中子の設置・型合わせ → 注湯 → 冷却・型ばらし → 清掃、という流れで整理できます。模型を抜くと空洞が残り、必要な中子は金属が凝固するまで所定の位置に留まります。

工業的な精密鋳造では一般に、ワックス模型製作 → ツリー組立 → シェルの積層・乾燥 → 脱ろう・焼成 → 注湯 → シェル除去 → 湯道の切断・清掃、と進みます。ワックスは脱ろうで除去され、従来の砂型模型のように形を保ったまま抜き取るのではないため、模型除去の制約が異なります。

シェル形成、脱ろう、注湯がどのようにつながるかは、ロストワックス鋳造に向けたワックス模型の後処理で詳しく解説しています。

Investment Casting Institute(ICI)のシェル製作の解説では、ワックスツリーをスラリーに浸し、耐火粒を付着させて乾燥する工程を繰り返し、セラミックシェルを作ります。宝飾品のロストワックス鋳造では、一体の埋没型もよく使われます。ワックスツリーを鋳造用フラスコに置き、周囲に埋没材を流し込む方法で、Ransom & Randolphの宝飾鋳造工程に説明があります。一体埋没型と工業用セラミックシェルは、鋳型を作る方法が異なります。

どちらの鋳型も、部品を取り出す際には通常壊します。使い捨ての鋳型とは、金属を受け入れる砂型や耐火鋳型のことで、砂型鋳造の模型が一度しか使えないという意味ではありません。

再使用できる金属模型と空洞のある砂型を、青いワックス製インペラーと脱ろう後のシェル断面と比較。
砂型では通常、模型を抜いて空洞を作ります。精密鋳造では模型を包んだ後、脱ろうなどの適切な工程で模型を除去します。

外形の細部と内部空洞では課題が異なる

複雑な部品には、外側の曲面、模様、アンダーカットが細かいものもあれば、内部に曲がった流路、薄い隔壁、清掃しにくい空洞があるものもあります。それぞれ鋳造で解決すべき課題が異なります。

従来の砂型鋳造では、模型を抜く方向を考慮する必要があります。抜型勾配は模型を外しやすくし、型の分割面は模型と鋳型の分かれ方を決めます。アンダーカットには、分割した模型部品、追加の分割面、中子などが必要になる場合があります。外形設計では、完成形状だけでなく、模型を実際に抜けるかも考えます。

精密鋳造では模型を鋳型内から除去するため、鋳型を共通の抜き方向に開く必要はありません。そのため、抜きにくい形、小さな文字、装飾的な模様の再現に向くことがあります。ただし、模型を作れるか、耐火材料で全体を覆えるか、シェルの弱い部分が安定するかも実現性を左右します。

薄肉鋳造は、金属の流動、熱損失、湯口の位置、局所的な肉厚変化にも依存します。精密鋳造は細かな形状に対応できますが、どの合金でも同じ薄さを実現できるという意味ではありません。模型上の細い線と、鋳物に完全に残る細い線は、別々に評価する必要があります。

内部空洞には中子が関わります。砂中子はポンプやバルブの流路、エンジンの冷却水路などを作れます。中子の位置決めは空洞位置を、強度と安定性は肉厚や構造を左右します。3Dプリントは中子設計の選択肢を広げますが、ガスの排出や砂を除去するための開口も検討が必要です。

複数の流路を持つバルブの断面と曲面羽根のインペラーを並べ、円形の拡大枠で内部流路と羽根の細部を表示。
内部流路では中子の製作・位置決め・除去を、外形の細部では模型製作と空洞の再現を考慮します。

精密鋳造でも、適切なセラミック中子や専用の中子方式を用いて内部空洞を作れます。ワックスの除去で解決するのは課題の一部です。耐火中子が内部に残る場合、その位置決め、注湯中の支持、最終的な除去を検討しなければなりません。

例えば、文字を付けた中実の装飾品では、主な課題は外形の再現です。一方、外側が単純でも内部流路が曲がっているハウジングは、中子製作や清掃の方が難しい場合があります。外形と内部空洞を分けて評価しましょう。SFSAの鋼鋳物設計指針も中子除去用の開口の確保を重視しており、部品設計で考える項目です。

部品のサイズと重量

砂型鋳造は一般的な部品から、大型ハウジング、機械ベース、重量鋳物まで、幅広いサイズに使われます。砂のシステム、造型設備、鋳枠の構成にも選択肢があり、大型品では最初に検討する価値のある工法です。

ただし、サイズに限界がないわけではありません。鋳型を作れることは条件の一つで、溶解能力、注湯方法、運搬設備、清掃設備も関係します。外形寸法の大きさと重量は別の指標です。大型の薄肉ハウジングと、小さくても重い中実部品では課題が大きく異なることがあります。

精密鋳造も小型品だけに限定されません。大型化すると、ワックス模型の支持、ツリー配置、シェル製作・乾燥、脱ろう・焼成、運搬、注湯に対応する能力が必要です。小型で細かな部品に確立した工程を、単純に寸法比で拡大することはできません。

初期検討では、大型品は砂型鋳造、小型・中型で細かな形状は精密鋳造から評価できます。最大寸法と最小肉厚は、実際の合金、形状、設備に合わせて確認してください。

表面品質・寸法精度と機械加工の関係

精密鋳造は、細部を残したい部品、鋳放しの表面品質が重要な部品、一部の機械加工を減らしたい部品によく使われます。模型表面は鋳型の空洞表面に影響しますが、最終的な鋳物は耐火材の表面層、注湯、凝固、清掃にも左右されます。

砂型鋳造の表面品質には幅があります。砂粒、結合材、塗型材、模型やプリントの品質が鋳型表面に影響します。型合わせや中子の位置決めは寸法と肉厚にも影響する場合があります。同じ砂型鋳造でも、工場によって結果は異なります。

表面は同じ納入状態で比較します。鋳放し、ブラスト後、研磨後は同一ではありません。プリント模型では、積層痕や後処理が複製される表面に影響するため、精密鋳造だから全域が均一に滑らかになるとは限りません。ICIの工程転換に関する技術解説でも、従来の金型と積層造形を使った場合の表面が区別されています。

表面の細部、寸法の安定性、内部欠陥の有無は別の要件です。外観が良いハウジングでも軸受穴の仕上げ加工は必要かもしれません。文字の鮮明な部品を研磨すると細い縁が変わることもあります。要件は部位ごとに設定します。

図面では、機械加工が必要な機能面、鋳放しでよい一般面、仕上げが必要な外観面を区別します。公差、粗さ、加工代を各部位に対応させ、部品全体を一つの精度区分だけで表さないようにします。

材料と数量が生産準備に与える影響

どちらの工法もさまざまな金属に対応します。合金の適性は、溶解方法、砂または耐火材料のシステム、肉厚、工場の経験にも依存します。同じ合金でも、用途に必要な性能に照らして鋳造品質を判断します。

違いは生産準備で捉えると分かりやすくなります。従来の砂型鋳造は、模型や中子型を使って砂型・中子を繰り返し製作します。従来の精密鋳造は、ワックス射出用の金型で模型を繰り返し作り、ロットごとにツリーを組み立て、新しい鋳型を作るのが一般的です。

つまり、どちらも前工程で再利用できる工具を使いながら、使い捨ての鋳型を継続的に作る場合があります。砂型鋳造には型が必要で、精密鋳造には不要、と単純には言えません。工具から作る中間品と、その後の工程が違います。

数量が増えると、造型やワックス射出の繰り返し、中子やシェルのロット編成が生産に影響します。変更が多い場合は外形と内部のどちらを変えるのか、該当する模型、中子型、プリントデータだけを更新できるかを確認します。精密鋳造は少量にも対応でき、砂型鋳造も継続的な量産に使えます。

費用は、工具、消耗材、作業、鋳型・シェルの準備時間、仕上げ要件によって変わります。安い工法は実際の部品と数量で評価し、工法名や一つの型代だけから判断しないことが必要です。

3Dプリントはどの工程を変えるのか

砂型の工程では、鋳型の直接プリントによって対応する実物模型への依存を減らせます。中子のプリントでは、対応する中子型への依存を減らせます。中子だけをプリントし、外側の砂型は従来法で作るなど、組み合わせも可能です。

直接プリントは、模型の抜き取りや中子型からの取り出しに関する一部の制約も減らし、より複雑な形を検討しやすくします。ただし、プリントした砂型・中子には運搬、組立、注湯に耐えることと、内部流路を清掃できることが求められます。

精密鋳造では、ワックスや適切な消失性材料で模型をプリントすると、前段の模型製作が変わります。その後には、材料に応じたツリー組立、シェル製作または埋没型製作、模型除去、焼成、注湯が続きます。模型材料が異なれば、同じ除去方法をそのまま使えるとは限りません。

例えばCprint 3DのSJ-1200は砂型と中子を、3H-420 Plusは後続の精密鋳造に使うワックス模型を作ります。プリンターが製作するのは鋳造中間品で、最終的な金属部品はその後の鋳造工程で得られます。

この違いから、プリントした砂型・中子とワックス模型は、そのまま置き換えられるものではありません。それぞれ異なる鋳型製作工程に入るため、設備選定は後続の鋳造工程に合わせる必要があります。

左のトレーに空洞のある砂型と中実中子、右に三つの青いワックス製インペラーを配置し、砂粒とワックス表面を拡大。
砂型・中子・ワックス模型のプリントは、それぞれ異なる前工程を変えます。最終的な金属部品は後続の鋳造で得られます。

どちらの工法から検討すべきか

部品の最も重要な製造要件から、最初に評価する工法を選びます。

部品の要件 最初に検討する工法 確認する点
大型ハウジング、ベース、重量部品 砂型鋳造 造型、溶解、運搬、注湯の能力
複雑な内部流路 砂型・中子。精密鋳造用中子も検討可能 中子製作、位置決め、除去、検査
細かな外形と高い鋳放し表面要件 精密鋳造 模型品質、空洞の再現、機能面の要件
細かな宝飾・装飾形状 適切なロストワックス鋳造 一体埋没型またはシェルの材料と工程
種類が多い、変更が頻繁 従来の型とデジタル製造を併せて検討 変更する中間品と後工程への影響

この表は検討の出発点です。サイズ、外形、空洞、合金、重要な表面を併せて評価してください。一つの利点は初期選択の手掛かりになりますが、部品全体の評価に代わるものではありません。

砂型鋳造の工程を詳しく知るには、造型から清掃までの砂型鋳造の全工程をご覧ください。より広い工法を比較するには、金属鋳造法の選び方も参考になります。

よくある質問

ロストワックス鋳造と精密鋳造は同じですか?

ワックス模型を使う精密鋳造は、一般にロストワックス鋳造と呼ばれます。精密鋳造には他の適切な消失性模型材料も使えるため、各方式の模型除去と鋳型製作の工程を確認します。

砂型鋳物は精密鋳物より必ず粗いですか?

精密鋳造は細部や鋳放し表面に向く傾向がありますが、すべての部品に一律の比較は当てはまりません。同じ部位の要件、実物サンプル、清掃・仕上げの状態を比較してください。

精密鋳造で大型品を作れますか?

検討できます。供給先には、模型製作、シェル製作、焼成、運搬、注湯に対応する能力が必要です。局所的な肉厚や構造の安定性も実現性に影響します。

3Dプリントを使うと二つの工法は同じになりますか?

同じにはなりません。砂型・中子のプリントとワックス模型のプリントが変える前工程は異なり、その後はそれぞれの砂型鋳造または精密鋳造工程に進みます。

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